令和2年度の総合新任研修会はオンライン開催となり、99園313名の先生方にご参加いただきました。まず、参加者は基本テキストである『学びあいの人間教育』を講読後、総幼研会長の秋田光彦先生による理念研修の動画を通して、総幼研の理念を学びました。講題は『みんなでつながる、こころをはぐくむ~総幼研教育入門』です。「教えない教育」すなわち、教える構えをもたずに子どもたちと共に楽しむことがたいせつであるといった内容をはじめ、総合幼児教育の基本的な考え方、先生にとって大事な心得を中心にお話しいただきました。日課活動のねらいや目的を学んでいく場面では、動画を交えた説明もあり、実際の保育現場の様子を共有しながらの紐解きが行われていました。
そして理念を深めた後日に受講するのは、総幼研インストラクターの岡田都世子先生と浜田智峰先生が講師を担当する実技指導プログラムです。こちらの研修は、Zoomシステムを用いてオンライン上でのリアルタイムの学びが展開されました。北関東、関東、近畿、九州といった全国からの参加者が、オンライン上のミーティングルームに集いました。オンラインでの研修やZoomの利用がはじめてという方も多く見受けられましたが、発言や発表の機会では、緊張しながらも素敵な笑顔を忘れず、積極的に参加される姿が印象的でした。午前・午後の部の1日を通して、各学齢の特徴や、その学齢に応じた働きかけや活動のポイントなどを学んでいきます。さらに理念研修での学びを踏まえ、総幼研教育における各活動のねらいやすすめ方を確認しながら、実習が進んでいきました。参加者が子どもになりきって日課活動を行う場面では、体験を通して模倣する喜びや楽しさを体感。さらに、未満児の日課活動については活動の一連の様子を動画で学び、見終えた後の説明で、発達にあわせた取り組み方のポイントについて、学びを深めていきました。
カード練習(カードあそび練習)の時間では講師の先生と共に、めくり方、準備の仕方、片づけ方、子どもたちとの応答のタイミングなどをひとつずつ丁寧に確認していきました。講師の先生方のアドバイスをもとに、各自のカメラに向かって実際に練習をくり返して経験を積み重ねていきます。講師が説明する細かな配慮や知識を一生懸命書き留める姿はもちろんのこと、誰かがアドバイスを受けている時も自分事として捉え、自分の映っている画面で、同じように確認する参加者の姿が多く見受けられました。画面越しに各々の手元が見えるからこその深まりがあったのではないでしょうか。研修のさいごには講師の先生方が、ご自身の新任時代や体験について触れながら、参加者にむけた熱いメッセージをお話しくださいました。
今年度はコロナ禍のために園活動にも数々の中止や延期、自粛があったと伺いますが、子どもたちの発達は変わらぬものであり、そのための保育のあゆみを止めないことがたいせつであると、本研修会のご案内でもあいさつがありました。既にご案内の通り、令和3年度の総合新任研修会がどのような形式での開催になるかについては、令和3年度の第2回理事会(10月~11月開催予定)で検討されます。
このたび、ご参加いただきました先生方の4月からはじまる園でのご活躍を祈念いたしますと共に、今回の開催にあたり、総幼研活動の写真や動画を快くご提供くださいました会員園の皆さまに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。