1日目「知」と「実践」の深まり
研修会は、埼玉県・西川口幼稚園、東京都・みのり幼稚園の公開保育からはじまりました。参加者の先生に笑顔であいさつする子どもたちの姿に、笑顔の連鎖が広がります。6月という季節柄、雨が懸念されましたが、当日は澄み切った空のもと、元気いっぱいの保育が行われました。体育ローテーション、日課活動・課題活動と続き、それぞれの園で静と動のメリハリのきいた活動が展開されました。また歓迎音楽発表会では、学年ごとにうたや器楽演奏を披露いただき、会場はあたたかい雰囲気に包まれました。
午後からは会場を池袋サンシャインシティに移し、公開保育会場園ごとにわかれた全受講者参加型のバズ・セッションが実施されました。園長先生と職員の先生が同会場にて行なわれるこのプログラムでは、他園の先生との活発な交流や議論を通して、新たな気づきを共に深め合いました。
続いては開会式です。専務理事、大日保育園の園長 安永浩孝先生ご先導のもと、皆さんに総幼研宣言をご唱和いただき、会長、パドマ幼稚園の園長 秋田光彦先生のごあいさつの後、全2部のトークセッションが行われました。第1部は「公開保育の立場から、あらためて総幼研教育を見つめ直す」というテーマのもと、今回の公開保育担当園である西川口幼稚園の園長 稲岡圭慈先生、みのり幼稚園の園長 濱田実先生をはじめ、秋田光彦会長や西堀はるみ先生にもご登壇いただきました。なお、先のバズ・セッションでは、現場の先生とインストラクター講師目線でのお話が中心でしたが、ここでは普段なかなか聞くことのできない、公開保育を受けてから当日を迎えるまでの開催園の気づきや思いについて、園長先生目線を中心として丁寧に紐解いてくださいました。また「どの園も普段から職員の先生が頑張っているのだから、そのままを公開するだけ」「この機会だからこそ、それを活用した園の見直し、取り組みもできる」というような「組織、教員の活性化」や「教育内容の最適化」などのメリット面についてもお話しいただき、総幼研ならではの公開保育のよさを改めて感じる機会となりました。
第2部は、「身体の協同性」をテーマに総幼研の助成研究を行っている福山市立大学准教授の弘田陽介先生の学術的視点をはじめ、秋田光彦会長、西堀はるみ先生にスピーカーをご担当いただきました。今年度から改定が行われた要領や指針をはじめ、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」について総幼研を軸にお話しいただきました。
2日目 新たな地に共に飛び立つ
池袋サンシャインシティを会場に、午前は対象者別研修プログラムが実施されました。
職員研修では総幼研の実践に特化した「総幼研教育の教育理念を学び直す」「言語日課、課題活動を学ぶ」の計2つの分科会。両会場共に総幼研ハンドブックを中心に皆で読み解き、深掘りします。1学期半ばのご自身の保育を見つけ直す絶好の機会になったのではないでしょうか。
一方、園長研修は定期総会が開かれました。今回は任意団体としての総合幼児教育研究会の解散や一般社団法人の設立会、新役員選出など、会の法人化に伴う重要な案件をご議論いただきました。一般社団法人では、新しい役職が設けられ、副会長には八千代ひかり幼稚園の園長 小川敏雄先生、(総研)常務理事に西堀はるみ先生が推挙され、満場一致でご承認されました。その後の一般社団法人設立報告会では、会の職員となった総合幼児教育研究所(総研)の先生方の紹介も行われました。
最後は声優として有名な佐久間レイさんによる記念講演。一生懸命頑張って急に心が折れてしまう、そんな悲しいことが起きないように、保育の現場や経営者として頑張る全ての先生にむけた「心のストレッチ」のコツをご講話いただきました。ご自身の体験をもとにお話いただき、感動のあまり、涙を見せる先生方の姿もありました。
閉会式では、この1年間に公開保育をご担当いただいた各園への感謝状が、秋田会長から授与されました。最後に参加者全員で「今日の日はさようなら」を斉唱し、今年度の夏の研修会は締めくくられました。
今回も様々な実践と知見にふれ、開催園、講師、参加者の全ての先生方が気づきに溢れた2日間だったのではないでしょうか。これからも双方向に学び合い、深め合いましょう。
このたび、多くの先生方にご参加を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。