去る2月16、17日に第23回総幼研フォーラムと全国公開保育が開催され、総幼研フォーラムは37園47名、全国公開保育は34園104名の先生方にご参加いただきました。
今回の記念講演は、福山市立大学教育学部児童教育学科教授の劉郷英先生がご登壇。劉先生は日中の保育比較をご専門とされています。
昨年9月27日に中国視察団を引率し、パドマ幼稚園の日課活動を見学されました。その見学会を機に、総幼研の教育活動にご関心をお寄せいただき、今回のご出講につながりました。
「東アジアにおける幼児教育改革の方向性と今後の国際交流の課題」と銘打たれた講演では、普段我々がしることのできない中国幼児教育の変遷をお話いただいた上で、現在の状況をご説明くださいました。
東アジアの幼児教育の中でとりわけ、日本の幼児教育が注目を浴びていること、中国国内においても日本のよいものを学びたいという方向性の変化について言及されました。また、総幼研教育を中国視察団の専門家の方々と共に目の当たりにした時の衝撃や感動を熱い口調でお話いただきました。
その後は懇親会。翌日の公開保育開催を前にパドマ幼稚園の先生方からウェルカムスピーチがありました。終始笑顔溢れる和やかな場となりました。
2日目は、パドマ幼稚園に会場を移しての公開保育です。子どもたちの元気が届いたのか、朝からすっきり晴天の絶好の公開保育日和。
子どもたちは元気いっぱいに、目一杯ローテーションを楽しみます。その後の日課活動・課題活動でも、子どもたちの元気な声と笑顔が溢れます。
どのクラスも担任を中心にまとまっており、規律のあるリズミカルな活動を展開し、ほどよい緊張感の中、先生やクラスの友だちと楽しみながら活動に取り組んでいる子どもたちの様子が見てとれました。
ご参加いただいた先生方は子どもたちの活発な様子とその保育の内容を真剣に書き留めてらっしゃいました。
11時からは4階講堂に会場を移し、歓迎音楽発表が催されました。最年少組(2歳児)から年長組(5歳児)まで、学年ごとにうたと器楽演奏を披露いただきました。
全てのプログラムは充実した園生活をうかがわせるものでした。子どもたちの懸命さも相まって、さわやかな感動を呼びました。
昼食のあと、全国公開保育参加の先生方は最年少から年長まで4グループと体育のグループにわかれ、午前中の保育を基に各園の取り組みや意見を共有。
参加者全員で活発に保育のねらいや留意点を交えながらの話し合いの場がもたれました。
一方、フォーラム参加の先生方は会の研究事業をご担当いただいている弘田陽介先生からイタリアでの発表の報告をベースに、国際社会における総幼研教育の可能性をお話いただきました。
プログラムの最後は、秋田光彦会長、岡田都世子先生・浜田智峰先生の両インストラクター、パドマ幼稚園教務リーダー・堀池亜矢先生にご登壇いただき、全国公開保育のお取りまとめをいただきました。
途中には、パドマ幼稚園の先生によるワークショップの報告も行われました。先のワークショップでの質問などを下敷きに、多くの園を知るインストラクターの知見とパドマ幼稚園での実践がクロスし、濃密なセッションとなりました。
公開保育を通して、総幼研教育の確かさを再確認するよい機会になったのではないでしょうか。
1年に一度の総幼研フォーラム、全国公開保育。今年も遠方よりたくさんのご参加を賜り、厚く御礼申し上げます。
次年度もパドマ幼稚園での開催となります。皆様のお越しを心よりお待ちいたしております。