去る、7月29日(金)、30日(土)の両日、第3回総幼研夏期総合セミナーが、兵庫県神戸市のANAクラウンプラザホテル神戸で開催され、全国から66園164名の先生方が参加されました。
総幼研の創立30周年を契機に、装いを新たにして、今年3回目を迎えました。今回も気づきにあふれた「学びの場」として、「総幼研園のこれから」を考えるための多彩なプログラムが満載の2日間でした。
【1日目】
当日、総幼研会旗が掲げられたメイン会場にて、開会式が執り行われました。
参加者全員で総幼研会歌を斉唱した後、専務理事の安永浩孝先生のリードによる総幼研宣言の唱和、そして代表理事・会長代行の秋田光彦先生による開会のごあいさつと続きました。
記念講演1は、幼児教育の世界で名高い汐見稔幸先生が、10年ぶりに総幼研の講演にご登壇。「21世紀型の保育を探る」というテーマでお話しいただきました。
幼児教育が社会から注目され、保育・幼児教育に対する期待が高まっている中、子どもたちにとって重要なのは社会的情動スキル、すなわち「対人関係能力」「目標達成力」「情動、感情の制御力」ということを最近の研究結果をまじえて、ご講話いただきました。
また汐見先生のお話を受け、2日目の総括講演では秋田代表理事から「実際に総幼研教育ではどうか」について言及いただき、たとえば、総幼研の日課活動を取り上げ、教えるのではなく協同的学びといえる「あそび」を通して、仲間意識や連帯感の中から「自制心・自己制御力」を高める、といったように、社会的情動スキルを育むことに繋がっていることをお話しいただきました。
続いては元NHKのアナウンサーであり、現在、子どもたちのことばを育てる活動を行い、朗読文化を提唱されている山根基世先生の記念講演2です。今回はご自身の活動体験をもとに、「子どもたちに必要なことばの力」についてご教示いただきました。
【2日目】
午前中は、6つのテーマに分かれて分科会を開催。新ハンドブックを基にした実技の研修をはじめ、職員育成から発達障害、脳科学に基づいた内容まで、それぞれの対象と目的別に分かれて多様な学びの場となりました。
以下に各分科会のテーマとご指導いただいた講師を列記いたします。
▼第1分科会
「日課活動から課題活動へ」
講師:岡田都世子先生(総幼研インストラクター)
浜田智峰先生(総幼研インストラクター)
▼第2分科会
「総幼研教育のプロフェッショナルな先生の育て方」
講師:杉本哲也先生(総合幼児教育研究会客員研究員)
▼第3分科会
「園の上級職が身につけるべきマナーとは」
講師:木谷さつき先生(ブレインアカデミー研修講師)
▼第4分科会
「発達障害の基本的理解と親子支援について」
講師:池添素先生(NPO法人福祉広場理事長)
▼第5分科会
「幼児教育における食育の重要性」
講師:平野直美先生(神戸女子短期大学食物栄養学科教授、医学博士(Ph.D))
▼第6分科会(理事長・園長先生対象)
「幼保教育を支える職員育成」
講師:中山正人先生(神戸学院大学客員教授)
セミナーさいごのプログラムは、代表理事の秋田光彦先生による総括講演。総幼研夏期総合セミナーを総括して、「総幼研教育の質」「保育の質」への視点から総幼研の真髄についてお話しいただきました。
講演の後は、閉会式です。この1年間に公開保育をご担当いただいた各園への感謝状授与が秋田代表理事から行われました。さいごに参加者全員で「今日の日はさようなら」を斉唱し、今年度の第3回総幼研夏期総合セミナーは締めくくられました。
今回も多岐にわたる知見と実践に満ちた学びの場となったのではないでしょうか。このセミナーを通して出会った「知」が、これからの総幼研園を担う先生方の実りとなることを念じております。
皆様のご参加、心より感謝申し上げます。