去る7月28日、29日の両日、ANAクラウンプラザホテル神戸において第1回総幼研夏期総合セミナーが開催され、全国から80園164名の先生方にご参加いただきました。
今セミナーは、総幼研30周年を契機に従来の教研大会をリニューアルしたもので、園長・後継者およびリーダー的な立場の先生方を対象に1泊2日で開催されました。
懇親会を一旦取りやめ、講演と分科会を中心とした内容とすることで、より純化した学びの場としての機能を発揮したように思います。
めまぐるしく変化する幼児教育界の現況にあって、総幼研のこれからを考える第一歩になったのではないでしょうか。
28日初日、開会式に続いては脳科学者の篠原菊紀先生による記念講演です。「子どもの脳に必要なこと~総幼研アクティビティを含めて~」をご講題に、子どもの力を引き出すための声掛け・褒め方や、効率的なワーキングメモリーの鍛え方をお話しいただきました。総幼研の活動(アクティビティ)が子どもの脳に与える影響についても、その実験結果から「総幼研のアクティビティを通じて、子どもは自律神経がバランスよく発達し、頭を使うのが好きになる」と、総幼研の教育活動の重要性を明らかにしていただきました。
続いては、海洋冒険家の白石康次郎先生の登場です。白石先生は、幼少期から海洋冒険家として活躍される現在までの様々なエピソードをお話しいただきました。
前向きな思考になれる物事の捉え方、子どもを惹きつける魅力ある先生とは、などのお話しをユーモアたっぷりに披露いただき、あたたかい笑顔と笑い声と共にあっという間に1日目のすべてのプラグラムは終了しました。
2日目の午前中には、6つの分科会を実施。総幼研インストラクターによる日課活動の展開から、運動あそび、保護者対応、職場でのコミュニケーションのあり方、発達障害、求人問題など、それぞれの対象・目的別に分かれての多様な学びの場となりました。
最後のプログラムは高濱正伸による記念講演「〈メシが食える大人〉に育てる」。
高濱先生は幼児・小学生向けの「花まる学習会」を運営しており、「数理思考力」「国語力」「野外体験」に重点を置いた活動を推進されています。
最近、九州で小学校へのカリキュラム導入が検討され、全国から注目されています。高濱先生からは、現代社会における育児環境の問題点と解決法を、具体的な実例を挙げてユーモアを交えながらお話しいただきました。
第1回夏期総合セミナーは、幅広いジャンルの知見に触れた学びの場となりました。2学期には実技研修会③、スキルアップ研修会②、支部共催公開保育研究会と各種研修会が開催されます。先生方のご参加を事務局一同、お待ちしております。