夏いちばん、総幼研年間で最大の研修会である教育研究大会(教研大会)が、去る7月26・27両日、茨城県つくば市およびその近辺で盛大に開催されました。近年最高となる全国から96園591名の参加者が集い、熱意あふれる学びの場となりました。
総幼研は昭和59年に発会、第1回教研大会も昭和59年7月に茨城県結城市・つくば幼稚園で開催されました。以来大会は回数を重ね、本年記念すべき30回目を同じ北関東で迎える運びとなりました。
26日大会初日はまずは公開保育でスタート、近辺の国分台ふたば保育園、つくば幼稚園、さくら学園保育園、若草明徳保育園・幼稚園の4会場で同時開催されました。総幼研教育の活気あふれる取り組みを見学しながら、参加者には大きな刺激と発見が得られたことでしょう。お昼を挟んで午後は各園で「ランチタイムミーティング」。こちらは、参加の先生方が小グループに分かれて質問や意見交換をするもの。文字通り膝をつきあわせての熱心な協議となりました。
4会場園からバスでメイン会場である、つくば市ホテル東雲に再集合、全参加者が一堂に会して改めて開会式となりました。秋田光茂会長が「総幼研の原点回帰」を呼びかけられ、また共催の北関東支部長茅根修善先生から「総幼研の新たな出発を」とそれぞれ力強くご挨拶いただきました。
記念講演は、茨城県出身で、メディアでもおなじみのスポーツストレッチトレーナー・兼子ただし先生の講演。実際にストレッチのワークを取り入れながら、「姿勢教育」の必要性を説かれました。笑いの絶えない講義は若い先生方には格別に好評でした。
夜の懇親会では、北関東支部の若手の先生方の進行により、コンサートあり、抽選大会ありの楽しいものでした。中でもサプライズ企画として、秋田光茂会長の83歳のハッピーバースデーがあり、また歴代支部長がそろって登壇されるなど会場は大いに盛り上がりました。
2日目午前中はメイン会場を、つくば国際会議場に変えて、午前中は7つの分科会が実施されました。
第1分科会
「年齢別・総幼研活動について(0歳児・1歳児・2歳児)」
講師:西堀はるみ(総幼研インストラクター)、榎本和代(総幼研インストラクター)
第2分科会
「年齢別・総幼研活動について(3歳児・4歳児・5歳児)」
講師:濵田智峰(総幼研インストラクター)、岡田都世子(総幼研インストラクター)
第3分科会
「最新脳科学から総幼研の運動あそびを考える」
講師:柳澤弘樹(社団法人地球環境技術協会主任研究員)
第4分科会
「職員集団をまとめる、かしこい〈時間・仕事〉の運び方」
講師:中山正人(神戸学院大学客員教授)
第5分科会
「子どものやる気を引き出す、先生のかかわりABC」
講師:杉本哲也(親学推進協会講師・総合幼児教育研究所客員研究員)
第6分科会
「園経営のデザイン」
講師:栗山正樹(株式会社栗山アソシエイツ代表取締役)
第7分科会
「園の後継者として今学んでおくべきこと」
講師:雑賀竜一(株式会社クロスライフパートナーズ代表取締役)
それぞれ対象別、目的別に分かれて多様な学びとなりました。
そして、ファイナルは秋田光彦代表理事による総括講演「一から読み直す総幼研宣言」。30年前に制定された総幼研宣言を題材に、総幼研教育の原点についてお話がありました。30年をふりかえりつつ、最新の総幼研脳科学研究の成果なども交えながら、総幼研の「不易流行」の必要性を説かれました。今大会の全体をしめくくるにふさわしい講演となりました。
今大会の成功は、何よりも実施担当いただいた北関東支部の先生方のご尽力の賜物です。1年前から園長先生方による実行委員会が結成され、次世代の先生方も協働して、文字通り支部の総力を挙げて取り組んでくださいました。このたびの成果を心に刻みながら、次の総幼研30周年に向けて、ますますの発展を誓って、30回記念大会は幕を閉じました。