園の先生へ。幸せの国ブータンでは、小学校の授業でも心を育てる視点を外さない。たとえば算数の、「豚10頭いましたが、3頭が病気で死んだら、あと何頭残ったでしょう」という設問でも、「近所に目の不自由なおばあさんがいたので3頭、譲ってあげました」というふうに言い換えて、善行を勧めるという。
幼稚園の職場でも、「できない」「無理」「私なんか」は、タブー。それを言っている当人が、知らず知らず自分を貶めていることになる。「すみません」ではなくて、「ありがとうございます」、また「私なんかできません」ではなくて「私には大変そうだけど、やってみます」と言ってみよう。気持ちが高まるし、周りの協力も得られる。言葉が意欲を引き出すのだ。ネガティブワードではなく、ポジティブワードを意識して使おう。ブータンはそんな言葉の贈り物がゆたかなのだ。
これは、私たち大人間のことだけではない。子どもたちの、生きるお手本としてのあなた方(先生)には、いつも前向きで、希望にあふれた言葉づかいを心がけてほしい。